泡沫記

備忘録あるいは自分の背骨

魔術師になりたい

ドラクエファイナルファンタジーなどのRPG、漫画で言えばBASTARD!!でおなじみのこんな場面。魔術師が何やら詠唱して大魔法ぶっ放すってやつ。Linuxのコマンドを使い始めると自分がその魔術師にでもなったかのような、そんな気分になる。コマンドを打ち込む。命令が実行されてドドーンと結果が出てくる。とんでもない技術を持ったプログラマーたちはWizardと呼ばれることもあるらしいが、さもありなん。

Linuxと戯れて面白いなぁと思うのは、ハードウェアの制御やソフトウェアの挙動も区別なく平等に、単なるテキスト(文字列)でできるってことだ。紙(?)に書いたものがホンモノになる。子どものとき紙に絵を描いて「これは宇宙船!」「ビームだー!ドカーン!」と夢中になったりしたけれど、基本アレと同じ感覚。書いたモノ(設定やプログラム)が本当に動くんだから、これは魔術だと言ってもいいだろう。それなりの作法を覚える必要があるけれど。それは呪文を詠唱し魔法陣を空中に描き魔法ぶっ放すための修行なのである。

で、その魔術言語として今回選んだのがPython。今までも囓ったことはあったが本腰を入れて勉強しようと思う。プログラミングができるようになりたいと思ったはもう10年前だ。iPhoneが日本で発売されて自分でもアプリをつくりたいなぁと。あれ?時間は進むが私はちっとも進んでいない。人生って怖い。10年も何の成果もなく無為に過ごしてしまうとは。

アレやコレやと手を出し入り口をウロウロするものの難しくなったらそのまま放置、いつの間にか離れて記憶は忘れてまた知識ゼロからの積み上げ。それを何度となく繰り返してきた。失敗の経験値だけは上がったので、この失敗は以前もやったなとか、こんな感じでこのトラブルはクリアできるはず、とあんまりあわてなくなりそれなりに対処できるようになったが。

どんな失敗をやってきたかと言えば。Linuxをインストールしては弄って壊し起動しなくなったり(おかげでパソコンの起動の仕組みに少しだけ詳しくなった)、Androidスマホのroot化を試みて失敗し文鎮化してしまったり(おかげで1ヶ月スマホなしの生活を過ごし、スマホを復活させるために少しだけAndroidの仕組みに詳しくなった、が、その貴重な経験と知識をすでに忘れてしまっている)、スマホのバッテリを交換しようとして電源スイッチのコードを切ってしまったり(中国から部品が届くまで1週間スマホなし、以下同文)などである。変に手を出して痛い目を見るというのが大体のパターンで、ググって対処しようにも、載っかっている対処法は自分の場合当てはまらないケースだったりするのはお約束。…プログラミングの前にハードを壊しているな。

もちろん言語にも手を出した。C言語、Swift、HTML、CSSJavaScriptPython…こうしてみると立派だがすべて入り口である。ひと通り本を読み通したり、ネットの講座を視聴し終わったりしたこともある、が、その先が続かない。何をどうしていいのやらわからない。自分のつくりたいものと学んだ知識がつながらない。そのうちに知識が消え去っていく。う〜ん、これはなぜなんだろう。つくりたいもののビジョンが明確でないのか、プログラミングの才能がないのか、単に勉強が足りないのか。ともあれ、やろう。思いだけは10年も続いたのだ。