Bubbles in a pool

よどみに浮かぶうたかた

斜に構えてみても

「世の中を斜に構えて見てると癖になるぞ。」と高校の友人に言われたことがある。今でも覚えているのは、彼が何か秘密を打ち明けたかのような恥ずかし気な表情だったからだ。言った側も言われた側も世界を小生意気に眺めていたと思う。人の汚いトコロや暗い面を見つけては「そんなもんさ」と嘯いていた。何でも知ってるようで何にも知らないガキンチョでありましたなぁ。そういった闇の部分に惹かれる心性は裏を返せば人一倍キレイゴトを信じたいからなんだろうが、この本を読んで意外と人間捨てたもんじゃないと思った。

戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)

戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)


著者のデーブ・グロスマンは米国陸軍に23年間奉職・陸軍中佐・レンジャー部隊・落下傘部隊資格取得、ということは筋金入りの軍人。この本は陸軍士官学校の教科書としても採用されているとのこと。人を殺すとはどういうことなのか、戦争時に人はどういう行動をするのか、余すところなく書かれている。
第2次世界大戦の発砲率は15%であったという。この数字が意味するものは何かぜひこの本を紐解いてほしい。

この本の中の一節を引用しておく。

「神話ではアレス(戦争の神)とアプロディテ(愛の女神)の結婚からハルモニア(調和の女神)が生まれた」。つまり平和は、性と戦争とをふたつながら超克してはじめて実現するのだ。【戦争における「人殺し」の心理学 P22】

こんな言葉も思い出す。

天国に行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。マキャベリ